さいたま市桜区民の生活の中での困りごととして、買い物難民の話がありました。まだ桜区はスーパーやコンビニがありますが、徒歩で行くには遠いところにしかない場所があります。スーパーやコンビニの多くは駐車場を用意しており、車社会を前提にしています。コンビニだけは近くにある場所もありますが、コンビニはスーパーの代替にならず、「まいばすけっと」や「プチ マルエツ」のような小規模スーパーが近所にあれば便利との声があります。
これは平成29年度さいたま市民意識調査では読み取れない話です。市民意識調査では桜区のイメージは「ふだんの買い物に不自由しない」がスコア1.15で最も高い結果になりました(在住者意識調査44頁)。次いで「自然災害による被害が少ない」(1.04)、「身近に緑や自然がある」(1.03)の順であした。
個別のヒアリングで聞いた買い物難民の不満とは逆です。利便性カテゴリの他の選択肢が「電車の便がよい」「バスの便がよい」などのため、相対的に良いという選択かもしれません。また、車で行くには不自由しないということで、自動車保有者か否かで差があるところかもしれません。
少子高齢化による市場縮小が予想されるために店舗の維持は困難になるでしょう。定期的に巡回する移動販売車があれば便利との声がありました。買い物難民では商品の買い物が問題になりますが、サービスも問題になります。商品の移動販売だけでなく、サービスの移動販売車も需要があります。マッサージやカイロプラクティックなどのサービスの巡回車があると便利との声がありました。
現実にスタートアップのMellow(メロー)はフードトラックに加え、リフレッシュサロンやネイルサロン、衣服のセレクトショップなどの移動販売者を構想しています(勝俣哲生「ランチ難民を救う「フードトラック」、なぜ急成長しているのか」日経クロストレンド2018年8月3日)。
サービスは買い物以上に待たされがちです。その解決策として予約制がありますが、予約をするとスケジュールの自由度がなくなるという問題があります。予約後に優先度の高い予定を新たに入れたくなることがあるという問題です。24時間365日オープンすることは求めていませんが、一定の日時の中で、思い立ったら行けるコンビニのような利便性が好まれます。タイミングが合ったら利用したいという需要を掘り起こせます。
まさに古典的な自由が求められていると感じました。オーソドックスな社会科学を勉強していると古典的な自由は古いもので、実質的な平等が強調される傾向がありますが、市民の生活感覚では古典的な自由が大切と感じました。イベント「寺遊祭(じゆうさい)2018お寺で遊ぼう・学ぼう・笑っちゃおう」も自由と重なる「じゆう」という発音が好評でした。