さいたま市は市立中学校・高等学校の生徒を対象にSNSを活用した悩み相談を始めます。LINEによる相談窓口を開設し、専門の相談員が、双方向で様々な悩みに対応します(「8月22日から「さいたま市SNSを活用した相談窓口」が始まります」2018年8月15日記者発表)。教育相談の一つのツールとして、気軽に相談できるSNSを活用することで、児童生徒の悩みへの早期対応を図ります。適切な相談相手につなげることができる体制を構築します。
実施期間は2018年8月22日から9月30日までの40日間。相談時間は午後5時から午後10時まで。学校を通して紹介カードを配布することで生徒に周知します。平成30年度一般会計補正予算の「教育相談推進事業」として983万8千円が計上されました。
今やコミュニケーションの手段としてネットは電話よりも身近になっています。みんなの未来(あした)を守る会は「ネットとリアルに明日の約束ができる場を」を掲げており、さいたま市の取り組みを歓迎します。
既に草加市は中学校にいじめ相談の匿名通報アプリ「STOPit(ストップイット)」を導入しました。市教育委員会の職員が報告や相談を受けつけ、生徒とやりとりします。内容次第で相談した生徒が通う学校側に通知します。
また、東京都は2018年3月に自殺防止相談の手段としてLINEを試験導入したところ、30代以下の若年層の相談件数の割合が、電話による相談よりも多くなりました。LINEが若年層の相談窓口として有効であることが明らかになりました。
2018年版自殺対策白書(2018年6月19日発表)ではSNSを利用した相談を評価しています。「若者を含め、対面や電話でのコミュニケーションが苦手な人を相談につなげられた、家族に聞かれたくない話がしやすい」
「SNS相談は、①様々な専門家のチームプレーによる対応が可能、②その場に居合わせない専門家とも状況を共有して対応することが可能、③相談履歴が残るので、相談員が代わっても同じことを聴かずにすむ、といった電話相談ではできない相談対応が可能となる利点がある、文字による方が本音でやりとりでき、課題解決のための支援につなげやすいこともあった」(70頁以下)
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18/index.html
伊藤次郎・NPO法人OVA(オーヴァ)代表理事はネットの有用性を指摘します。「若者のコミュニケーションツールはネットが主流で、電話相談はハードルが高い。ネットの方がより、若者の声を受け止めることが出来る」(「若者の自殺対策、ネットでの受け皿充実を」朝日新聞2017年11月5日)